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自己資本比率を計算すれば会社の資本力がわかる!比率の目安も解説!

自己資本比率を計算すれば会社の資本力がわかる!比率の目安も解説!

管理部門担当の人にぜひ参考にして欲しい指標が「自己資本比率」です。会社の資本力や安定性を示した指標のことをいいます。

本記事では複雑な用語解説や計算方法、企業別の平均比率をみていきます。

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自己資本比率を理解する前に知っておきたい用語5つを解説!

自己資本比率を理解するためには、普段聞き慣れない言葉を理解することが必要です。

最初に用語を整理していきましょう。

自己資本比率を理解する前に知っておきたい用語:自己資本

株主からの資金や会社自体が営業を通してあげた利益をはじめとする返済義務がない資金のことを指します。

自己資本比率を理解する前に知っておきたい用語:資本調達

資本を調達することを総称した呼び方です。株主から得る資金や自社の利益、銀行からの借入など調達先は様々です。

他人資本

外部資本とも呼ばれており、銀行をはじめとする機関からの借入金のことをいいます。言い換えると返済義務のある資本といえるでしょう。

総資本

自己資本と他人資本を合計した資本のことを指します。

自己資本比率で会社の安定性がわかる

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総資本に対する自己資本の割合を示した比率のことです。

返済のいらない自己資本が全体の資本調達の何%あるかを示した比率で、会社の資本力や安定性を長期的に判断するために重要な指標といわれています。

自己資本比率の活用方法

自己資本比率は会社の安定性を示しているため、就職や転職、取引先を選ぶ際の一つの情報として活用できます。

自己資本比率の計算式

自己資本比率の求め方は、「自己資本比率=自己資本÷総資本×100」で求められます。

求められる数値が小さければ、他人資本の影響を多く受け「不安定な経営」をしているとされています。

一方で、比率が高いと安定していると判断できるのです。

【例題】自己資本比率の計算

例題をもとに実際に計算してみましょう。

A社の自己資本が600万円、他人資本が800万円とします。

「自己資産比率=自己資本÷総資本×100」なので

=600万円÷(800万円+600万円)×100

=600万円÷1400万円×100

=0.428×100

≒42.8

A社は約43%であるとわかります。

自己資本比率はどの程度あると倒産しにくいと言えるのか?

自己資本比率はどの程度あると倒産しにくい状態といえるのでしょうか。一般的には70%以上あると理想といわれています。

自己資本比率が30%〜40%が基準

30%〜40%以上だと倒産しにくく安定しているといわれているため、自己資本比率はおおよそ、30%〜40%が基準だと覚えておくとよいでしょう。

自己資本比率が10%〜19%の場合は今すぐ倒産はない

10%〜19%の場合は資本力に乏しい状態ですが、「今すぐに倒産することはない状態」といわれています。

しかし安心はせずに、20%以上を目指して直ちに経営方針を立て直した方が良いでしょう。

自己資本比率がマイナスの場合は危ない

比率がマイナスとなった場合は、債務超過といわれる状態です。

総資本よりも返済義務のある銀行などからの借入の金額が上回っています。

つまり、直ちに会社経営の再建の措置を取る必要があるとされています。

自己資本比率は100%がベスト?

比率が高ければよいということなら「100%が最も良い状態なのでは?」と思うかもしれませんが、実はそうではありません。

比率が100%ということは、一切外部からの借入がないという状態です。

一見負債がないことは良いことのように思えますが、実態は外部から借りられるほどの信用が無く「借りたくても借りられない」という状況の可能性もあります。

また、借入が全くない会社よりも事業拡大などのためにある程度借入がある会社の方が、将来的にも成長する可能性があるとみなされる可能性が高いです。

自己資本比率の注意点

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自己資本比率は、計算によって算出された数字を見ることでその会社の財政的な安定度がわかります。

ただ、一概にその数字だけで判断してはいけない注意点も存在します。

自己資本比率は一時的に低下する場合がある

自己資本比率は、一時的に低下してしまう場合があります。設備投資のための借金をした場合です。

しかし、借金をもとに行った設備投資で将来的に利益が高くなれば、自然に自己資本比率はまた高くなります。

自己資本比率がずっと低い会社には注意が必要

先述したように自己資本比率が一時的に低下する場合はあります。

ただ、ずっと低くなっている場合は注意しましょう。

なぜなら、借金ばかりが増えていく状態が続き、倒産の恐れがあるとみなされるためです。

そこで重要になるのが自己資本比率を示した「貸借対照表」です。

自己資本比率がわかるのが貸借対照表

貸借対照表とは、決済日時時点での財政状態を示した表のことです。

表は以下のように左右に分かれて構成されています。

資産 負債

流動負債・支払い手形・買掛金・短期借入金

固定負債・長期借入金・退職給付金など

純資産

資本金・資本余剰金・資本準備金

利益準備金・繰越利益余剰金

ルールとして、左側の「資産」と右側の「負債」+「純資産」の合計金額は同じです。

貸借対照表の左側からは会社の資金がわかり、右側からは資金の調達方法がわかるようになっています。

表にすることで自己資本比率がずっと低い会社なのかどうかがわかるため、ぜひ一度確認してみるとよいでしょう。

業種によって自己資本比率の平均は異なる

企業の種類や規模によっては自己資本比率の平均は異なるため注意が必要です。

下記の表は職種別の自己資本比率の平均です。

建設業 39.5%
製造業 45.6%
情報通信業 58.6%
運輸業、郵便業 36.3%
卸売業 38.3%
小売業 36.7%
不動産業、物品賃貸業 32.7%
宿泊業、飲食サービス業 14.4%
サービス業(分類されないもの) 44.9%

以上の表からもわかるように多くの職種が目安の30%〜40%以内に収まっていますが、宿泊業・飲食サービス業は特に自己資本比率が低いです。

このように、業種によっては仕入れ方法や設備投資の頻度や借入の頻度などが異なるため、30%~40%が一概によいとはいえないことを覚えておきましょう。

自己資本比率を高める方法

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自己資本比率を高めるためには、株主を募って多くの資金を集める必要があります。

方法自体はとても簡単ですが、実践するのはとても大変なことです。

なぜなら、簡単に株主が集まるわけでもなければ集まったとしても資金を調達するまでには多くの時間と労力を要します。

株主からの資金以外に自己資本比率を高める方法は3つあります。

  • 内部留保を拡大する
  • 運転資金を減らしたうえで不良資産・遊休資産を処分し、総資産ごと削減する
  • 不良在庫となる前に棚卸資産の売却を検討する。

それぞれを詳しくみていきましょう。

自己資本比率の上げ方:内部留保を拡大する

会社が所有する資産のうち、銀行からの借入金などではなく純粋に会社自身で得た利益のことをいいます。

つまり、売り上げを純粋に上げればよいということです。

自己資本比率の上げ方:運転資金を減らしたうえで不良資産・遊休資産を処分し、総資産ごと削減する

まず運転資金を見直して無駄を削減し、無駄な資産とそれに対応している負債を削減し総資産を小さくするという方法です。

すると、計算式の分母が小さくなるため結果的に自己資本比率が高まります。

自己資本比率の上げ方:不良在庫となる前に棚卸資産の売却を検討する

物販系の会社であれば、売れなくなった商品などを「また売るタイミングが来るから」などの理由で倉庫の奥にしまい込んでいるケースがあります。

しかし、在庫の維持費がかかるだけではなく、売れなかった際にその商品からは一円も手にできません。

そうなる前に在庫処分を行うか、価格を下げてでも販売をするなどの手段をとることをおすすめします。

結果的には予定よりも利益は下がりますが、マイナスになることを防げるのです。

自己資本比率を理解して自社の状況を把握しよう

自己資本比率は、会社の資本力や経済的な安定力を示した指標で、「自己資本比率=自己資本÷総資本×100」で求められます。

企業によって自己資本比率の平均値が異なる点や一時的な低下があることを理解し、多角的に判断しましょう。

企業を分析する際の判断材料として、貸借対照表の利用をおすすめします。

ぜひ、自社の状況を見直してみましょう

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記事の作成・監修者 Back Office Magazine編集部
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