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福利厚生費として計上できる対象とは?課税対象の基準もチェック!

福利厚生費として計上できる対象とは?課税対象の基準もチェック!

福利厚生費は、給与以外で従業員に提供しているサービスに対して使用する費用で、損金として取り扱われますので実は税金対策にもなります。

ただ、福利厚生費の対象となるためには一定の条件があります。この記事では「これは本当に福利厚生費になるの?」「福利厚生費の対象でないものを知りたい」といった疑問に答えていきます。

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福利厚生費とは?

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福利厚生費は、従業員に対して給与以外のサービスを提供した時に使用する経費勘定です。給与以外のサービスには様々なものがありますが、業務に関わることは対象外です。従業員の業務には直接関係しないサービスに対して使用できます。

例えば、従業員が業務で利用するペンなどを購入した場合や、そのほかにも業務で使用する消耗品などを購入した際には福利厚生費にはなりません。

 

どのようなものが福利厚生費として計上指定いいのかわかっていない場合、従業員に使用する全てのものを計上していることがありますが、それだと決算時に大変なことになってしまいます。余計手間を増やしてしまうので定義はしっかりと覚えておいてください。

社内で行う行事ごとや、食事会、住宅手当などは福利厚生費の対象となります。加えて、企業ごとの違いもあるため福利厚生費の対象となるか知るためには、どんなことに使用したのかなどを明確にする必要があります。

経理担当者は持ってきた領収書をみるだけでなく、内容や誰と行ったことなのかなどチェックが必要です。「聞きにくい…」と思うかもしれませんが、内容確認は仕訳帳への記載にも必要になります。

 

福利厚生費には2種類ある

福利厚生費とひとまとめにされていますが、大きく2つの種類にわけることができます。

  • 法定福利
  • 法定外福利

どちらも同じ福利厚生費ですが、法定福利は全て福利厚生費として計上できる一方、法定外福利は福利厚生費として計上できない場合があります。

 

法定福利と法定外福利には以下のような違いがあるため、対象が計上できるかに違いがあります。

  • 法定福利:社会保険や労働保険など法律で義務付けられている福利厚生
  • 法定外福利:育児支援や住居手当てなど社内で取り決められた福利厚生

法定福利は法律で義務付けられているものですので、従業員の人数に合わせて金額を計上できるため全てが対象となります。紹介しているとおり、保険などに関わることですので従業員の人数などを把握できていれば予算にも盛り込んでおくことができるでしょう。

 

法定外福利は会社で決めるものですが、全てを対象としてしまうと損金が増え節税に繋がるということもあり、全てが対象ではありません。

従業員にかかったものだからと全てを法定外福利として処理していると大変なことになるので本当に計上してよいものなのか見極めが大切です。

 

福利厚生費の対象条件

法定福利は全て福利厚生費の対象となりますが、法定外福利に関わるもので、福利厚生費の対象となるのは以下の条件を満たすものです。

  • 全従業員が対象であること
  • 金額が常識的な範囲内の金額であること
  • 現物支給でないこと

一部の従業員のみを対象としているものなどは、福利厚生費の対象として認められませんので注意してください。

それ以外にも、金額が常軌を逸していたり、現物支給の場合には法定外福利にはあてはまりません。つまり結果的に福利厚生費として計上することはできないのです。

 

上記条件が満たせるものだけが法定外福利として認められるので、仕訳帳などに計上する前に本当に条件に当てはまるか検討してみてください。

また、前項でも紹介したとおり法定外福利は節税に繋がるため従業員に使用したとしても異常な金額の場合は認められません。税務署のチェックで引っかかるとペナルティの対象になるので注意が必要です。

 

福利厚生を充実させるメリットとデメリット

企業が福利厚生を充実させるとどのようなことがおこるでしょうか?それぞれどのように変わるかメリットとデメリットをみてみましょう。

【メリット】

  • 企業に優秀な人材が集まりやすくなる
  • 生産性がアップする
  • 従業員のやる気がアップする

 

【デメリット】

  • コストがかかる
  • 対象の見極めなど事務負担が増える

従業員のやる気アップや、生産性のアップだけでなく、これからの人材確保にも大きく貢献するので、現代では福利厚生を充実させる企業が増えています。

男性だけでなく女性にも優しい会社づくりが行われている昨今では、女性に対する福利厚生も考えられているので出産後の復帰などを考えやすい企業もあります。

 

福利厚生が充実することで、従業員にとってはメリットばかりと思われがちですが、経理担当者の立場としてはデメリットもあります。

まず、イベントなども見越した予算を立てておくことが必要です。法定外福利の部分をどれくらい予算として入れておくかなど匙加減が難しいものです。

法定外福利は入れればよいというものではありません、先ほど紹介した条件を満たすものだけを計上できるので事実確認は必ず必要になります。会社のイベントが多いほど経理的負担が増えてしまうというデメリットもあるでしょう。

 

少しでも経理担当者の負担を減らすために、どのようなものが福利厚生費として認められるのかは普段から共通の認識を運営者とすり合わせておくのがよいでしょう。

また、本当に法定外福利になるのかというのは予算の段階でもおおよそわかるものですので、開催前に主催者にどのようなイベントなのかなどチェックしておくのもおすすめです。

 

福利厚生費の対象となるものをいくつか紹介

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では、実際どのようなものなのか具体的な例をみながらチェックしていきましょう。

福利厚生費:慶弔見舞金

従業員を雇っていれば必ず必要になるのが慶事・弔事などではないでしょうか。こちらも基準に基づいた金額を支払う場合は福利厚生費として計上可能です。

給与以外で支払いとなる結婚・出産祝い、香典など幅広く利用可能で、そのためのご供花や、手紙代なども対象となります。ただし、お付き合いのある会社などの慶事・弔事などで支払いを行う場合は接待交際費などになるので注意しましょう。

 

福利厚生費:健康診断費

よりよいパフォーマンスのために、従業員の健康を気遣い健康診断を行っている企業も増えています。

そんな健康診断にかかる費用に関しても福利厚生費として計上することができますが、全ての従業員や役員が受診でき、健康管理をする上で必要と思われる項目の検査であった場合のみとなります。

一部の従業員のみの費用を福利厚生費として処理することは基本的にできません。

 

福利厚生費:社員旅行費用

日頃の感謝の気持ちと、モチベーションアップに社員旅行などを行う企業もあると思いますが、この費用は法定外福利として計上することができます。

ただし、会社側で決める福利厚生費になりますのでそれなりに条件があります。

旅行に行った人が全体の50%以上であること、外国の場合は4泊5日以内であることが条件になります。

ちなみに自己都合により参加できなかった人に費用を現金などで支給する場合の支払いは福利厚生費としては計上できません。そのほかの該当科目での形状になるので注意しましょう。

出典:国税庁 従業員レクリエーション旅行や研修旅行

福利厚生費と似た費用を紹介

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実際に経費を計上していると「福利厚生費と似ているけど…」と迷うこともあるのではないでしょうか。社員に対して使っているけど、ほかの会社の人も合わせた接待の領収書であったり、従業員が業務の向上のために必要な物品など、たくさんあります。

そこで、福利厚生費と似ていて間違いやすい科目を2つ紹介します。

  • 消耗品費
  • 交際費

今まさにどれに計上しようか迷っているという担当者は参考にしてください。

福利厚生費と間違えやすい費用:消耗品費

業務で使用するペンや、コピー用紙など日々消耗していくものを仕入れることもあると思います。

従業員が使用するもののため、購入した場合福利厚生ではないかと考えがちですが、そうではありません。

 

福利厚生費は基本的に業務に使用する物に対しては使用することができません。また、消耗品は1回の取得に使用した金額が10万円以下である必要があることに加え、使用できる期限が1年未満のものと決まっています。

ペンなどが福利厚生費として計上できるタイミングがあるとすれば、会社内での飲み会などの景品になるなど業務外のものであれば計上可能です。

ペンや消しゴム、手袋など業務で使用するとわかっているものに対して福利厚生費は使えません。業務中に使用するのであれば、消耗品として計上するのが一般的です。

 

福利厚生費と間違えやすい費用: 交際費

事業をするにあたり、他の会社とも関わりが出てくると思います。食事や贈答などたくさんありますがこれは福利厚生費として計上することはできません。

福利厚生費は基本的に自社の従業員のために使用したことに対して使用できる勘定科目です。

つまり、他社との交流などで使用した会食代や接待代に関しては交際費として計上するのがよいでしょう。

出典:国税庁 交際費等と福利厚生費との区分

 

自社での食事の際に福利厚生費を使用することはできますが、毎月の会社の負担は3,500円で50%以上を社員が負担する必要があるなど条件があります。

法定外費用の場合、計上するためにはそれなりに条件が必要になりますので、その点のみ注意して計上しましょう。

福利厚生費のまとめ

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福利厚生費の対象となるのは、法定福利と法定外福利の2つに該当するものだけです。

法定福利は従業員の年金や健康保険など金額の決まっているものがほとんどで、計上も行いやすいです。

判断が少し難しいのが法定外福利で、計上するためには一定条件を満たしている必要があります。

  • 全従業員を対象としていること
  • 支出となる金額が常識的な範囲内の金額であること
  • 現物支給でないこと

 

上記の条件を満たさなければ法定外福利として計上できません。似ている科目はたくさんありますが、福利厚生費は基本的に従業員へのサービスに使用する科目です。迷った時は一歩引いた目線から物事を確認し、計上してみてください。

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砂糖そると
記事の作成・監修者 砂糖そると
雑記ライター

社会福祉法人で数年経理を担当。結婚をきっかけにWEBライターに転職。決算処理やわかりにくい勘定科目などをわかりやすく解説します。経理担当者目線で業務を行う上であるあるな疑問や実務経験を生かしたものを紹介します。1児の母。https://twitter.com/salt_sugar0403

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