「総務の志望理由ってどんな風に書けばいいんだろう?」
「選考を突破した人の志望動機を見てみたい」
このようにお考えではありませんか?
本記事では、総務職への転職に伴い、これから志望動機の作成をお考えの人に向け、
- 企業が総務職に求めるスキル
- 志望動機を作成する際のポイントと注意点
- 選考を突破した志望動機の例文とNG例
などを紹介。本記事で紹介するポイントを押さえておけば、採用担当者から高評価を得られる志望動機を作成できます。
良い志望動機が書ければ選考の突破率も格段に上がりますので、ぜひ参考にしてみてください。
【総務の志望動機を書く前に】仕事内容を理解
総務の仕事内容は会社によって異なりますが、基本的に自社商品の生産やサービスの展開に直接関わることはありません。
総務の一般的な仕事内容は下記の通りです。
- 来客対応
- 社内備品の管理
- 福利厚生・社会保険など各種手続き
主に、会社の雑務全般を業務とし、営業職や事務職の人が職務に集中できるようにサポートします。
企業が求めている総務のスキル
企業が総務に求めるスキルは下記の通りです。
- 最低限の事務処理能力
- コミュニケーション能力
- 業務管理能力
それぞれのスキルについて詳しく解説していきます。
総務のスキル:最低限の事務処理能力
総務が担当する雑務は基本的に事務処理能力を必要とします。
たとえば、
- WordやExcelを使った文書作成
- クライアントに向けたメール作成
- 書類のファイリングや電話対応
などが主な事務仕事です。これらの業務を問題なくこなせるのが最低限のラインだと思っておきましょう。
総務のスキル:コミュニケーション能力
事務処理がメインの仕事ではありますが、コミュニケーション能力も総務に求められる重要なスキルの一つとなっています。
なぜなら総務は、社内で勤務する従業員が円滑に仕事ができるようにサポートする必要があるからです。
たとえば、営業職の従業員にメール作成を頼まれた場合、「いつ・どのような内容で送るか」を正確に聞き取る必要があります。連絡事項があった際は、伝わりやすいように工夫し、相手が円滑に作業を進められるような気遣いも求められるでしょう。
また、社外と社内ではコミュニケーションの手段も変わるため、臨機応変に伝え方を変える「対応力」も同時に求められます。
総務のスキル:業務管理能力
「業務管理能力」も総務に求められるスキルの一つでしょう。業務管理能力とは、頼まれた業務を期限内にこなすスキルです。
たとえば、「○日の○時、○○社にメールを送信する」「○日○時までに書類を作成する」といった業務を複数管理し、期日内に処理することなどが求められます。
取引先へのメール送信など、対外的に行う業務は時間が遅れると失礼にあたることもあるため、しっかりと管理する必要があるのです。
【総務の志望者必見】志望動機を書く際のポイント
以下では、
- 総務未経験者が志望動機を書く際のポイント
- 総務経験者が志望動機を書く際のポイント
それぞれについて解説してきます。
総務の志望動機:総務経験者はこれまでの経験を具体的に書く
総務職の経験者は、これまでの経験を具体的に書きましょう。
これまでの経験というのは、正社員、派遣、アルバイトなどでの総務経験・事務経験など全てが該当します。ただし、志望動機と自己PRを混同しないように注意してください。
志望動機では主に、「これまでの経験」「これまでの経験を踏まえ、なぜその企業に応募したのか」といったことを記載します。
また、これまでの経験を書く際は、できるだけ具体的に書くことが大切です。具体的に書いておけば、採用担当者がマッチ度の高低を正確に判断してくれますし、あらかじめミスマッチを防ぐことにもつながります。
総務の志望動機:総務未経験者は関連性の高い経験を記載する
これまでに総務として仕事をした経験がない人は、総務と関連性の高い仕事の経験を記載しましょう。また、事務や総務と関連性の高い資格を所持している人は、その資格を記載しておくのも効果的です。
総務と関連性の高い仕事とは、先ほど紹介した
- 来客対応
- 電話・メール対応
- WordやExcelでの文書作成
- 対外的なコミュニケーション
などの業務を過去にこなした経験です。
たとえば、アルバイトで本屋の店員をしていたという人は「来客対応」「電話・メール対応」などを業務として担当した経験。アパレル関係で仕事をしていたという人は「対外的なコミュニケーション」「電話対応」などの経験が良いアピールになります。
このように、どのような仕事であっても総務職と関連性のある業務をこなしていたという経験はあるものです。
また、志望動機にこれまでの経験を記載する際は、エピソードを取り入れるなどして具体的に書きましょう。加えて、「なぜ総務職を志望したのか」「なぜその会社に応募したのか」などについても経験を踏まえた上で記載するとよいです。
総務課の志望動機とNG例【例文】
以下では、下記2つのケースに分けて総務課の志望動機を紹介していきます。
- 総務経験者の場合
- 総務未経験者の場合
同時に「なぜこの志望動機が良いのか」という点についても解説しますので、ぜひ参考にしてみてください。
【総務の志望動機】例文1.総務経験者の場合
私はこれまで総務として働いてきた経験を活かし、貴社の総務職でも活躍していきたいと考えています。 前職では総務の仕事に6年間従事していました。 具体的には、
・社内で使う備品の調達や管理
・社内行事の企画と運営
・決済作業の事務対応
などを業務として担当しました。そんな折、貴社の募集要項にて、事務や人事の業務も担当領域になるという旨を拝見しました。私は総務だけではなく経理や人事など、仕事の幅を広げていきたいと考えていたため、貴社に応募することを決断した次第です。今後はこれまで培ってきた総務の経験を活かし、貴社では人材教育を行う主任としても活躍していきたいと考えています。
上記の志望動機は、「これまで担当してきた具体的な業務内容や年数」「具体的なこれからの展望」が書かれているため、即戦力として期待できる内容です。また、募集内容をしっかり読んでいることも伝わるため、志望度の高さもアピールできています。
私は、社員総数32名のベンチャー企業で培ってきた総務としての経験を活かし、貴社の総務職で活躍していきたいと考えています。前職のベンチャー企業では、創立からまだ間もないということもあり、
・福利厚生の整備
・備品の購買
・コンプライアンス研修の実施
・株主対応
など、様々な業務に携わらせていただきました。また、営業職の目標管理では、達成のための施策などを提案し、前年度の達成率120%アップに貢献しました。私が今回志望した理由は、ベンチャー企業での経験をより大きな事業規模を持つ貴社で活かしたいと考えたからです。また、貴社は上場に向けての準備を行っているため、コンプライアンスを浸透させるための施策考案、株主対応といった場面でお役に立てると確信しています。今後は、総務として任される様々な業務をこなしつつ、上場に向けての準備を共に進めていければと考えています。
上記の志望動機は、ベンチャー企業だからこそ得られた経験を基に自己PRを行っています。たとえ事業規模が小さかったとしても、個人の裁量権が大きいベンチャー企業での経験は高い評価を得られる可能性が高いです。また、前職で達成した数字を記載することで、採用担当者が応募者の活躍をイメージしやすくなるため積極的に記載しましょう。
【総務の志望動機】例文2.総務未経験者の場合
私は前職で務めていた飲食店での経験を活かし、貴社の総務職で活躍したいと考えています。飲食店は6年間務めており、新人の教育や新店舗立ち上げに伴う各種手続きに関連する業務を担当しました。新店舗の立ち上げでは、契約に関する事務手続きに加え、不動産や業者などと折衝を行い、裏方として立ち上げの準備をサポートしていました。そんな折、貴社のホームページにて、新店舗を立ち上げる旨を拝見し、私のこれまでの経験が活かせるのではないかと考えました。また、飲食店で働いていた際に培ったコミュニケーション能力や、従業員やお客様からの要望に向き合い、真摯に対応してきた折衝能力を活かすことで、貴社にお役立てできるものだと確信しています。 今後は店舗の立ち上げから従業員の教育までを任せていただけるような、マルチな人材になりたいと考えています。
上記の志望動機は、「多方面からの要望に対応してきたコミュニケーション能力」「店舗の立ち上げで必要な各種手続きの経験」などを上手くアピールできています。また、募集要項から企業が欲している人材を把握した上で自身のアピールポイントを記載するという方法も評価できるポイントです。
未経験であることをネガティブに表現するのではなく、これまでの経験を前向きに捉え、どう企業に貢献できるのかを記載しましょう。
前職では法人と個人、両方の営業を行っていました。営業では、売上目標を1年間連続で達成し、社長賞をいただいた経験もあります。私が営業目標を達成し続けることができたのは、徹底した顧客目線と、総務職や事務職からのサポートがあったからだと考えています。特に総務職からのサポートは手厚く、営業日報の管理、契約資料の作成など様々な面でサポートをしていただきました。私はその姿に感銘を受け、自分も営業職で売上だけを追うのではなく、総務職として多方面から企業の成長をバックアップしたいと考えるようになりました。貴社は未経験の受け入れを行っていることに加え、営業に特化した企業であると存じておりますので、私の経験をお役立てできると考えています。今後は、総務職に任される雑務を全うしつつ、営業職の方々を中心にバックアップし、企業の成長に貢献して参ります。
上記の志望動機は、エピソードを記載し、総務職への熱意をアピールしています。そしてエピソードだけではなく、今後具体的にどう企業に貢献したいかといったところまで書かれている点もよいです。面接官は機械ではなく人間ですから、熱意を感じさせるエピソードは高い評価へとつながりやすいでしょう。
総務の志望動機のNG例
私が貴社を志望する理由は、前職よりも残業時間が少なく、自宅からのアクセスが良いと思ったからです。総務職を志望する理由は、私には営業職としての経験が無く、これまで事務的な仕事を得意としていたからです。また、高校から大学にかけてサッカー部のマネージャー経験もあるため、人をサポートすることにも慣れており、縁の下の力持ちとして活躍できる自信もあります。貴社に採用していただけましたら、どのような仕事に対しても全力で対応していきたいと考えておりますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。
まず「残業時間が短い」「自宅からのアクセスが良い」などといった理由は志望動機にふさわしくありません。志望理由は、募集要項から志望企業が求める人材を把握し、その内容に合ったアピールをする必要があるからです。
また、総務職を志望する理由に「私には営業職としての経験が無く」と書かれていますが、これは消極的な意味合いにとられるため、どちらかと言うと書かない方がよいです。加えて、「マネージャーとしての経験がある」という表現についても、具体性が無いため高い評価にはつながりません。さらに前職の経験が記載されていないため、採用担当者に「前職では何も学んでいないのかな」という不安を与えてしまいます。
最後の部分では「全力で対応していきたい」とありますが、これもアピールとしては非常に弱いです。最後の締めくくりは「これまでの経験をもとに、どのように貢献していきたいのか」を述べるようにしましょう。
総務の志望動機を書いた後に見直すべき3つの注意点
総務の志望動機を書く際に気を付けたい3つの注意点は下記の通りです。
- 志望する業務を限定的にしない
- 志望企業の目線に立って書く
- 具体的で分かりやすく書かく
これから志望動機を書く人にとって非常に重要なポイントとなりますので、ぜひ参考にしてみてください。
総務の志望動機のコツ1.志望する業務を限定的にしない
志望動機を書く際は、志望する業務が限定的になってしまわないようにしましょう。
総務職は、書類作成や来客対応など、さまざまな雑務を任されます。つまり企業は、幅広く業務をこなしてくれる人材を求めているのです。ですから、志望動機を書く際は「どのような業務でも意欲的に取り組みます」という姿勢をアピールする必要があります。
たとえば、「飲食店での経験で培った明るいコミュニケーション能力を活かし、会社に来訪したお客様を気持ち良く迎えたいです」という志望動機だとコミュニケーション能力のアピールになる反面、「書類作成やファイリングなどの業務に対応してもらえるのか」という懸念を採用担当者に与えてしまいます。
コミュニケーション能力を一番にアピールしたい場合は、それに関連するエピソードに加え、「書類作成や文書管理などといった事務作業も意欲的に取り組みます」という旨の記載をしておくことが大切です。
総務の志望動機のコツ2.志望企業の目線に立って書く
志望する企業の目線に立って志望動機を書くことも重要なポイントの一つです。
企業の目線に立つというのは、「企業にとってメリットのある人材であることをアピールする」ということです。
本記事でも紹介しました通り、「これまでの経験を踏まえ、貴社にはこういった貢献ができます」という流れで書くことも大切なのですが、それを読んだ採用担当者が採用することをメリットを感じるか?という視点が重要になります。
企業側にメリットを感じてもらうには、ただ自己PRをするのではなく、まず企業を知ることが大切です。ですから、企業のWebサイトや募集要項などを見て、どのような働き方が求められ、どのような人材を欲しているのかを把握しましょう。
志望動機を書き終えた後も、「この志望動機を見て採用担当者はどう感じるだろうか」という視点で見直しをすると尚よいです。
総務の志望動機のコツ3.具体的で分かりやすく書く
最後の注意点は、「具体的に分かりやすく書く」です。志望動機を書き慣れていない人は特に注意したい項目になります。
具体的に書くためには、「自分以外の人があなたの志望動機を見たとき、その人があなたという人材を正確にイメージできるか」という視点を持つことが大切です。
たとえば、「これまで総務職として働いてきた経験を活かし、貴社で働く従業員のサポートに徹したいと考えています」という志望動機では、あなたが働いている姿を採用担当者がイメージできません。なぜなら、具体性が無いことに加え、どのような仕事をしてきたのかが一切分からないからです。
志望動機に具体性を加えるためには、
- 数字を入れる
- エピソードを記載する
- 応募企業でどのような業務に携わりたいのかを書く
などの工夫が効果的です。
「数字を入れる」というのは、「業務に携わった年数」「達成した目標の数値」などが該当します。
そして「エピソードを記載する」というのは、これまでどのようにして業務に携わってきたのかが伝わるあなた自身の経験(エピソード)です。
したがって、志望動機を書く際は「福利厚生の整備や事務的な書類作成など、これまで総務職で培ってきた6年間の経験を活かしていきたいと考えています。貴社では、営業部門、事務部門に携わる全ての従業員の仕事をサポートし、より良い労働環境の構築に貢献して参ります」というように、具体的かつ、あなたを採用することで得られるメリットを記載するようにしましょう。
総務の志望動機は意欲的な姿勢を具体的に伝える
総務は書類作成や来客対応など、さまざまな業務への対応が求められます。ですから、「書類作成には自信があります」と限定的な業務に対してアピールするのではなく、幅広い業務に対して意欲的に取り組む姿勢をアピールすることが大切です。
ただし、志望動機には「なぜその企業を志望するのか」という旨を記載する必要もあるため、忘れずに記入しましょう。
また、志望理由やこれまでの経験をただ羅列するのではなく、一貫性を持たせて書くことも大切です。
たとえば、「人事業務に携わった経験から人事職に興味を持つようになったため、総務だけでなく人事までを業務領域として募集している貴社に興味を持ちました。そのため、これまでの総務の経験を活かしつつ、貴社の採用業務に貢献していきたいです」と書けば採用担当者もイメージしやすいため、高評価につながりやすくなります。