経理・税務

【書評】『会計クイズを解くだけで財務3表がわかる 世界一楽しい決算書の読み方』は20代のうちに必読の一冊!

【書評】『会計クイズを解くだけで財務3表がわかる 世界一楽しい決算書の読み方』は20代のうちに必読の一冊!

いま会計業界で話題の図書、『会計クイズを解くだけで財務3表がわかる 世界一楽しい決算書の読み方』を実際に読んでみました。

読みはじめる前は「決算書が楽しいわけがない・・」と思っていたのですが、実際に読んでみると本当におもしろい!

一般に「会計」と聞くと簿記の仕訳や細かい数字を連想しますよね。でも本書はできるだけ数字を使わず、図解で理解できるよう構成されています。それでいて企業分析がきっちり説明されているので、会計知識0の人も、現役の経理マンも学びの深い内容になっています。

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クイズ形式でサクサク読み進められる!

『会計クイズを解くだけで財務3表がわかる 世界一楽しい決算書の読み方』とタイトルにあるように、実際に存在する企業の決算書をもとにクイズが出題されています。

たとえば楽天やアマゾンの決算書を名前を伏せて紹介し、どちらが楽天かを当てるなど。

この「クイズ」という手法が本書を魅力的にしている大きな要素でしょう。

よく人を動かす名プレゼンターは話のなかで「問い」を有効に用います。問われた聞き手はいったん自分事のように考え、そのあとプレゼンターの提示する答えや考えに耳を澄まします。

たとえばテレビ通販で有名なジャパネットたかたの高田明前社長は

「どうですか皆さん?こんな使い方もできて素晴らしいでしょう?」

と必ず視聴者に問いかけていました。

会計クイズでは実在の会社の、実際の決算書を並べて

「どちらが楽天でしょう?」
「どちらがセブン-イレブンでしょう?」

と出題されます。

知っている会社なので、具体的にイメージしながら考えられるのがまず楽しいですし、考える時間が勉強になります。仮にクイズを外したとしても答え合わせをすることで、自分の中に実りがあるでしょう。

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イラストが豊富!数字が苦手でも読み進められる

会計といえば、数字とは切っても切れない関係にあるため、数字に苦手意識がある人は会計を敬遠したくなるかもしれません。

 

しかし『世界一楽しい決算書の読み方』では、細かな数字は出来るだけ使わないようにできています。決算書なども、図やイラストでなるべく視覚的に理解できるよう設計されています。

 

また、資産や負債といった会計用語についても、わかりやすい表現で説明されているので会計知識0でも理解可能。

 

個人的には会計などの専門分野は、初学者に説明するのが難しいと感じます。詳しく説明すると相手が混乱しますし、簡略化しすぎても誤解を与えてしまいます。その点、本書ではかなり絶妙なバランスで、導入の知識としてわかりやすい!大学生のときに講義して欲しかったくらいです。

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会計を知っている人にも企業分析の学びになる

先ほどから「初心者にもおすすめ」と経験者目線で偉そうに語っていますが、正直に言います。1問だけ会計クイズを間違えました。

 

・・・すみません嘘です本当は2問も間違えてしまいました。

 

しかし間違えたあと解説を読むと、知らなかった企業の経営戦略やビジネスモデルを理解できます。自分で仮説を考えながらクイズを解くので、間違えていたとしても仮説のどこが違ったのか、答え合わせが勉強になるでしょう。

 

簿記はわかる、会計に普段から関わっているという人にも企業分析や戦略の理解を深めるのに役立ちます。同様に会計に基づいた企業分析は、投資をしている人にも実用的な知識となるでしょう。

 

会計クイズは初心者にこそおすすめ

『世界一楽しい決算書の読み方』はとくにこのような人におすすめです。

  • 就活中の大学生
  • 経理部に配属された若手
  • 会計に苦手意識のある管理職
  • 投資をする人

 

就職活動中の大学生は多くの企業に触れますが、基本的に採用担当者は人を採用するのが仕事。そのため企業にとってポジティブな情報を先行して伝えるものです。

 

就活生としては採用のどこかの段階で決算書を一読し、企業の実態を確認したほうがよいでしょう。数字は嘘をつきません。

 

  • 業績好調といっていたが、数年は営業利益がでていない
  • 初任給が高いらしいが、一方で平均勤続年数が低い

 

などの事実確認がしやすいです。必ずしも採用担当者が嘘をつくわけではありませんが、自分が持つイメージと現実とのギャップをなくすことができます。

 

私の大学の同期に、新卒で入った会社で経理部に配属された友人がいます。彼女は大学では人文学を専攻しており、まったく会計に触れてきませんでした。そのため社会人になってから会計の勉強をはじめていました。慣れない会計業務と勉強のためか、はじめはかなり消耗していたようです。

 

会計、とくに簿記の勉強に使うテキストの多くは

 

「会計のルールはこう」
「仕訳の切り方はこう」

 

といった形で「なぜ会計を学ぶのか」より「会計のルール」を覚えることを重視します。

会計実務においては仕訳の理解は必須ですが、会計の初学者についてはルールや決まりより

 

  • 会計がわかるとこんな得をする
  • 会計がわかると企業の姿が見えてくる

 

といったメリットをまず理解したほうが、楽しんで勉強を進められるでしょう。

 

また、管理職となり慣れない会計に触れなければならなくなった人にとっても、本書は手ごろな入門書になるでしょう。会計は触れる機会がなかった人にとっては、苦手意識となりやすいことがあります。

 

長年持ってしまった苦手意識を克服するには、辛い練習より「なんか面白そう」と感じることのほうが効果的です。

 

というわけで『世界一楽しい決算書の読み方』、これから社会人になる人も、すでに社会人の人にもおすすめです。とくに20代のうちに読んでおくと、教養として会計が身につくので今後のキャリアで役立つでしょう。

 

あなたの周りに会計で頭を悩ませている人がいたら、一冊すすめてみてはいかがでしょうか?

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『会計クイズを解くだけで財務3表がわかる 世界一楽しい決算書の読み方』

著者:大手町のランダムウォーカー

出版社 : KADOKAWA

発売日 : 2020/3/28

価格:1,540円(税込み)

Back Office Magazine
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Back Office Magazine編集部ライター鈴木悠
記事の作成・監修者 鈴木悠
Back Office Magazine編集部ライター

「ややこしい話をわかりやすく」をモットーに執筆する編集部ライター。今まで国内最大手を含む税理士法人2社を経験し、税務会計に6年半携わる。年間30超の法人・個人の税務顧問を務め、法人税・所得税・消費税を中心としたアドバイザー業務に従事した。売上100億円規模の企業をはじめ、担当した業種は飲食・製造・卸売り・観光・アパレルなど。税務の本業の傍ら、副業でウェブサイト運営やYouTube運営を経験したのをきっかけに、メディア作りに魅力を感じ現職に就く。

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