「管理職におすすめの資格ってなんだろう?」
「管理職で活躍してもっと高い評価を得たい!」
このようにお考えではありませんか?
この記事では、管理職として活躍の幅を広げたいという人に向け、下記を解説していきます。
- 管理職の人におすすめする資格(ポジション別)
- 資格取得に際して活用すべきお得な制度
自分に合った資格を選び、 効率よく勉強を行っていきましょう。
管理部門に資格取得をおすすめする3つの理由
管理部門の人が資格を取得するべき理由は下記の3つにあります。
- ポータブルスキルの取得で転職に強くなれる
- 具体的な目標を持つことで一気にスキルアップできる
- 指示や指導に説得力が生まれる
それぞれの理由について詳しく見ていきましょう。
管理部門に資格取得をおすすめする理由:「ポータブルスキル」の取得で転職に強くなれる
ポータブルスキル、という言葉を聞いたことがあるでしょうか?会社や職場が変わっても持ち運び可能なスキルのことを指します。ポータブルスキルを取得することで、管理部門への転職に強くなります。
なぜなら、ポータブルスキルを持つことで、自分が持っているスキルや知識を客観的に判断してもらえるようになるからです。
たとえば、「私は経営に関わる数字を分析することが得意です」と言うよりも、「私は簿記検定一級を持っているため、経営に関わる数字を細かく分析することができます」と言えることができれば、客観的な評価が加わるため説得力がより強くなります。
このように、「他者に対して実績やスキルをアピールしやすくなる」という点がポータブルスキル取得のメリットです。
管理部門に資格取得をおすすめする理由:具体的な目標を持つことで一気にスキルアップできる
具体的な目標を持つことで、一気にスキルアップを図ることができます。
なぜなら、具体的な目標を立てることで、具体的に何をするべきなのかが明確になり、次の行動に落とし込みやすくなるからです。
「なんとなく本を買って勉強してみよう」では、時間の制約や目標がないため、モチベーションを保ちにくくなります。
ですから、「勉強したかったけど、結局あまり続かなかった」という人は、「具体的な目標と時間の制約がなかったから」という理由に起因する可能性が高いです。
したがって、勉強を持続させることにあまり自信がない人は、
- 取得したい資格
- いつまでに取得したいか
の2つを具体的に決め、一気にスキルアップするのがおすすめです。
管理部門に資格取得をおすすめする理由:指示や指導に説得力が生まれる
資格を取得することで額に対する指示や指導に説得力が生まれます。
管理部門での仕事は、これまでの経験や実績により左右されることが多いです。
しかし、新しい職場や専門性の高い職場では、持っているスキルが高い説得力を生むこともあります。
たとえば、金融系の職場では、国家資格の「FP(ファイナンシャルプランナー)」を持つ人材が重宝されますから、管理部門としての活躍も期待されるでしょう。
部下の立場から考えてみても、「資格を持っている人」と「持っていない人」では、やはり前者の方からの指示や指導を受け入れたいと思うものです。
管理部門で仕事をするうえで「信頼」「説得力」を部下から得ることは非常に重要です。
今の仕事やこれからやりたい仕事をするうえで、そういった説得力を生む資格をチェックしておくとよいでしょう。
【管理部門】人事・労務系におすすめの資格
人事労務系におすすめの資格は下記の通りです。
- 社会保険労務士
- メンタルヘルス・マネジメント検定
- キャリアコンサルタント
それぞれの資格について詳しくみてみましょう。
【管理部門】人事・労務におすすめの資格:社会保険労務士
難易度:例年の合格率が5%前後と高難易度
勉強時間の目安:独学の場合だと1000時間以上だといわれている
社会保険労務士の特徴は下記の通りです。
- 労働環境や雇用契約についての知識が必要
- 社会保険や労働に関する法的知識を網羅するレベルの勉強が必要
- 事業主を目指したい人に向いている
社会保険労務士は、士業の一つでもあるため独学での合格はかなり難しいです。
「労働の法的知識」「社会保険の知識」など、ベースとなる知識があれば独学でもよいですが、全く知識がないところからのスタートだとかなり厳しくなるでしょう。
社会保険労務士の資格にこだわらないのであれば、過去問や公式テストで学習するだけでも実務に役立ちます。
【管理部門】人事・労務におすすめの資格:メンタルヘルス・マネジメント検定
難易度:コースにより異なる
勉強時間の目安:一番レベルが下のコースであれば独学で40~50時間程度
メンタルヘルスマネジメント検定の特徴は下記の通りです。
- 近年注目度の高い資格である
- 全部で3つのコースに分かれている
- 各コースの受験料が安い
メンタルヘルスマネジメント検定は下記3つのコースに分かれています。
Ⅰ種(マスターコース)・・・自社の方針や人事戦略を踏まえ、 専門機関や従業員のスキルを織り込んだ施策を立案・実行できるレベル
Ⅱ種(ラインケアコース)・・・ 部下の不調を察知した場合、安全配慮義務に則った対応をスムーズに行うことができるレベル
Ⅲ種(セルフケアコース)・・・自らの体調を的確に把握し、セルフケアを行うことができるレベル
Ⅲ種(セルフケアコース)であれば、ベースとなる知識がなくても40時間程度の勉強で合格できるといわれています。
部下の健康面もマネージメントしていきたいという人におすすめです。
【管理部門】人事・労務におすすめの資格:キャリアコンサルタント
難易度:合格率は全体の3割程度
勉強時間の目安:認定講座にて2カ月間の勉強期間がある
キャリアコンサルタントの特徴は下記の通りです。
- 2016年に新設された国家資格
- キャリア関係の職に必要なスキルを学べる
- 社内のスタッフに対しアドバイスしていきたい人に向いている
キャリア関係の職とは、主にキャリアコンサルティングを指し、キャリアで悩んでいる人に対して多角的にアドバイスをする仕事になります。
キャリアコンサルタントはまだ設立して間もないため、全体的に資格の取得者が少ないです。
また、キャリアコンサルタント試験を受けるためには、原則、認定講座が必須であることに留意しておいてください。
認定講座は、3ヶ月間の通信講座に加え、10日間のスクーリング(短期教室) を行った後、試験を受けます。
【管理部門】経営系でおすすめの資格
経営系の管理職におすすめな資格は下記の通りです。
- 簿記検定(日商簿記)2級
- 中小企業診断士
- MBA
それぞれの資格について解説していきます。
【管理部門】経営系でおすすめの資格:簿記検定(日商簿記)2級
難易度:例年の合格率は20%前後であるものの、独学でも十分に合格できるレベル
勉強時間の目安:独学だと150~200時間程度
簿記検定2級の特徴は下記の通りです。
- 会社内のお金の流れを把握したい人に向いている
- 受験料が5,000円以下と安いため気軽に受験できる
- 数字から会社の状況や改善点を分析できるレベルの知識が必要
管理職として部下をマネジメントするためには、部下の状況や改善点を数字から読み取る力が必要になります。
簿記検定2級を取ることで、読み取る力を身につけ、具体的で明確な指示・指導ができるようになるでしょう。
また、実務に活用しやすい分野でもあるため、会社での業績を効率的に上げたいという人にもおすすめです。
【管理部門】経営系でおすすめの資格:中小企業診断士
難易度:例年の合格率は20%前後であり高難度
勉強時間の目安:予備校に通う人が多く、独学だと1,000~1,300時間といわれている
中小企業診断士の特徴は下記の通りです。
- 中小企業の経営に関する幅広い知識が求められる
- 起業する場合だけではなく会社員としても知識を役立てることができる
- 士業の1つであるため、年単位での勉強が必須とされている
中小企業診断士では、「会計」「財務」「事業運営」「人事」など、非常に幅広い知識が求められます。経営コンサルタントと名乗る人の多くが保有している資格です。
将来起業したい人や、管理職として直接的に経営に携わっていきたい人に向いている資格だといえるでしょう。
【管理部門】経営系でおすすめの資格:MBA
難易度:取得する大学院によって異なる
勉強時間の目安:大学院での受験合格が必須となる(学院によっては1年ほどの受験勉強が必要とされている)
MBA(Master of Business Administration)の特徴は下記の通りです。
- 経営系資格の最高峰といわれている
- 厳密にいうと資格というより学位に該当する
- MBAプログラムを開講している大学院の課程を修了する必要がある
MBAは一般的に、中小企業診断士の上位互換にあたる資格で、管理職への昇進や、グローバルに展開する事業の展開を考えている人に向いています。
難易度の高さもさることながら、資格取得には高額な費用と多くの時間を要します。
ですが、取得のメリットは大きく、レベルの高い経営学を体系的に学ぶことが可能です。
また、大学院によって「到達目標」「得意分野」「夜間授業か通信授業か」など、さまざまな特徴があります。
ですから、MBA取得をお考えの人は、該当する大学院をよく調べたうえで、自分の目指したい方向性に合った大学を選ぶことが大切です。
【管理部門】法務系でおすすめの資格
法務系の管理職におすすめの資格は下記の通りです。
- ビジネスコンプライアンス検定
- 個人情報保護士
それぞれの資格について詳しくみていきましょう。
【管理部門】法務系でおすすめの資格:ビジネスコンプライアンス検定
難易度:初級と上級により異なる(初級の合格率は全体の40%程度)
勉強時間の目安:初級は独学で20~40時間程度
ビジネスコンプライアンス検定の特徴は下記の通りです。
- 法務職への転職が有利になりやすい
- コンプライアンスに関連した法律知識の習得が求められる
- 資格を取得することで実践的な価値判断基準の取得をアピールできる
ビジネスコンプライアンス検定は、「EY新日本有限責任監査法人」公認の資格です。
ビジネス実務法務検定との違いは、ビジネスコンプライアンス検定がコンプライアンスのみにフォーカスしているのに対し、ビジネス実務検定はコンプライアンス以外の知識が求められる点です。
コンプライアンスに強い企業であるということをアピールする場合においては、ビジネスコンプライアンス検定の取得がおすすめです。
【管理部門】法務系でおすすめの資格:個人情報保護士
難易度: 例年の合格率は35%前後
勉強時間の目安:独学では50~60時間程度
個人情報保護士の特徴は下記の通りです。
- 2005年の個人情報保護法施行に伴って設けられた資格
- 個人情報の正しい管理方法や運用方法についての知識が求められる
- 法律関係に詳しくない人でも日常生活と関わりが大きいため理解しやすい
個人情報保護士は、社員教育として団体受験を導入している企業も多いです。
そのため、比較的認知度が高く、情報の取り扱いが多い法務職には向いているといえます。
参考:個人情報保護士認定試験
【管理部門】経理系におすすめの資格
経理系の管理職におすすめの資格は下記の通りです。
- FASS
- MOS
- 文書情報管理士
それぞれの資格について詳しく解説していきます。
なお、経理の資格については『経理の資格12選|経理の転職・即戦力・キャリアアップを実現する!』でもまとめていますので、こちらもチェックしてみてください。
【管理部門】経理系におすすめの資格:FASS
難易度:レベルによって異なる
勉強時間の目安:レベルEは独学で40~60時間程度
FASSの特徴は下記の通りです。
- 経済産業省の提案により生まれた資格である
- レベルE~レベルAまでの5段階で判定される
- 日商簿記検定より実務的要素の高い知識が求められる
上記にもある通り、FASSは、レベルE~レベルAまでの5段階で評価されます。
レベルによる評価基準は下記の通りです。
レベルE・・・実務的な知識において部分的にしか理解できていない
レベルA・・・経理や財務部門での業務を問題なく遂行できる
FASSの試験内容は「決算」「税務」「資産」「資金」の4分野に分かれています。
定期的に受験をすることで、実務的なスキルに磨きをかけることもできるでしょう。
参考:FASS 経済産業省 経理・財務人材育成事業 公式サイト
【管理部門】経理系におすすめの資格:MOS
難易度:合格率は非公開ですが、officeに触れることが多い人にとってはさほど難しくない
勉強時間の目安:ほとんどofficeに関する知識を持っていない人が独学する場合は60~80時間程度
MOS資格の特徴は下記の通りです。
- Microsoft Officeを利用するスキルが求められる
- ソフトウェアごとによって評価基準が異なる
- 資格を取得することでレベルの高い実務スキルをアピールできる
上記にもある通り、資格はソフトウェアやバージョンによって分かれています。
たとえば、利用頻度の高いExcelやWordは、スペシャリストとエキスパートの2段階に分かれています。
Word や Excel に加え、利用頻度の高いPowerPointの資格取得は、管理職においても大きな強みになるでしょう。
また、officeを業務で使用することが多い人であれば、問題集を購入し、不安なポイントをカバーするだけで十分に合格が狙えます。
参考:マイクロソフト オフィス スペシャリスト(MOS) 公式サイト
【管理部門】経理系におすすめの資格:文書情報管理士
難易度:合格率は2級・1級が70%前後、上級が40%前後と難易度は高くない
勉強時間の目安:2級であれば40~50時間程度
文書情報管理士資格の特徴は下記の通りです。
- 公益社団法人日本文書情報マネジメント協会が認定している資格
- 試験は2級・1級・上級の3種類に分かれている
- 2級を持っていても基本的な知識のアピールにはなる
- 資格の有効期間が5年
また、文書情報管理資格を取得することで、下記スキルのアピールにつながります。
- 職場で使う伝票・資料・帳票などをスキャナーでデータ化するスキル
- マイクロフィルムを利用して文章や資料を保存するスキル
- 規格に関連した法的知識を持っていることの証明
勉強をする際は、公益社団法人「日本文書情報マネジメント協会」が提供している公式テストでの独学か、同団体主催の受験対策セミナーへの参加が主な方法になります。
参考:JIMA 文書情報管理士
資格取得には教育訓練給付金制度も活用しよう
教育訓練給付金制度を利用することで、お得に資格勉強をすることができます。
ここまで、たくさんの資格を紹介してきましたが、中には「勉強したい資格はあるけど金銭的な負担が大きくて手を出しづらい」という人もいるでしょう。
そんな人は、ぜひ教育訓練給付金制度を利用してみてください。
教育訓練給付金制度とは、キャリアアップのために参加した講座費用の一部がハローワークから支給される制度です。
具体的には上限を10万円とし、講座費用の20%が支給されます。
さらに2018年には制度が拡充され、より専門性の高い資格を取得する場合、 最高で講座費用の70%(上限56万円)が支給されることになりました。
ただし、講座費用の支給を受けるためには、一定の条件を満たしておく必要がありますのでご注意ください。
講座に参加し、短期間で資格を取得したいという人はぜひこの制度を利用してみてください。まずはご自身が制度の対象であるかを確認してみましょう。
管理部門におすすめの資格を取得してキャリアアップを目指そう!
資格取得は、転職する際のアピールになることはもちろん、自身のキャリアアップにもつながります。
「資格の取得なんて無駄だ」という人も中にはいますが、資格取得のために得た知識は、誰にも取られることのない無形の財産です。
管理職で活躍するためには、これまでの実績はもちろん、知識の財産をどれだけ持っているかによって左右されます。
ですから、まずは自分に合った資格を選び、効率よく勉強に取り組みましょう。