経理・税務

【経理必見!】職務経歴書の書き方を細かく解説!通過率を3割上げる方法とは?

【経理必見!】職務経歴書の書き方を細かく解説!通過率を3割上げる方法とは?

転職活動を行うにあたり、大事になってくるのが職務経歴書。

どのように書けば良いのか、書いたのはいいけれど、これで良いのか悩む方もいるのではないでしょうか。この記事では経理財務職を中心に、書類選考での通過率をグッと挙げる職務経歴書の書き方についてお伝えします。

著者は転職2回、税理士法人に6年半勤め、リクルーティングも行っていたほか、仕事で多くの経理財務担当者にお会いしてきました。現在は転職事業に従事していますので、経験がお役に立てば幸いです。

【経理】職務経歴書の書き方の見本を公開!

まず経理財務職を例に職務経歴書の見本を紹介します。

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職 務 経 歴 書

2020年12月12日現在

氏名 京橋 太郎

◆職務要約

製造業を主な事業とするABC株式会社にて、6年6ヶ月間経理業務に従事してまいりました。

経費精算や支払い・売掛管理など基本的な経理業務に始まり、原価計算や月次・年次決算書の作成なども行ってきました。直近3年間は原価計算を中心業務としつつ、管理会計業務にも携わり、コスト削減を実現。

原価数値とモニタリングで材料や人の無駄を洗い出し、前年対比で0.3%原価率を下げてコストダウンを達成することができました。

◆活かせる知識・スキル

  • 経理業務【6年】:月次・年次決算取りまとめ、原価計算、予算作成、経費精算システム導入・リプレイス
  • マネジメント経験【4年】:3名
  • 原価計算【3年】:原価改善プロジェクトにおけるチームリーダーを担当し、コストダウンを達成
  • Excel:関数(VLOOKUPなど)、マクロを使用しての作業自動化

◆職務経歴

□2014年6月~現在 ABC株式会社

事業内容:製造業

資本金:100百万円 売上高:8,000百万円(2020年) 従業員数:400名 市場区分:東証二部

期間 業務内容
2017年12月~現在 経理部原価課 役職:課長
【担当業務】
・原価計算
・部門別予算作成
・部門別予算実績差異分析
・原価工程の管理とコストダウン施策の策定・実行
・配下メンバーのマネジメント
【成果】
・原価の改善プロジェクト
チームリーダーとして、原価工程の改善にあたり、管理手法の選定から実際の運用まで一貫して担当。その結果、前年対比で1%原価率を下げることに成功。
2015年12月~2017年12月 経理部経理課 役職:主任
【担当業務】
・財務諸表の作成
・四半期/有価証券報告書の作成
・決算業務(決算報告書作成、試算表作成、事業報告書作成等)
・開示資料の作成
・税理士、会計士対応
2014年6月~2015年12月 管理部経理課
【担当業務】
・月次/年次財務諸表の作成
・月次決算業務(月次仕訳、仮勘定の整理、試算表作成、損益集計等)
・決算業務(決算報告書作成、試算表作成、事業報告書作成等)
・年末調整
・支払い・売掛管理
・経費精算
・経費精算ソフトの導入
【成果】
・経費精算ソフトの導入
社内で長らく工数のかかっていた経費精算業務の工数を削減するため、経費精算ソフトを導入。ソフトの使い方や、税務論点に基づいた入力のルールを作成し、社内に周知・教育を行いました。結果、月末の経費精算業務にかかる時間を40%削減し、月次決算の早期化を実現しました。

◆資格・免許

  • 日商簿記2級(2014年12月)
  • TOEIC 650点(2017年5月)

◆自己PR

経理業務の幅広い経験/知見

基本的な経理業務を経験したのち、決算業務のほか原価計算と管理会計業務にも携わり、現在は製造部門のコスト管理と業務改善を行っています。

決算業務においては上場企業に求められる開示資料を一通り作成可能。経理業務に関する幅広い業務経験と知見があるため、即戦力として貢献できるのではと考えています。

プロジェクトの推進力/進行管理能力

今まで2つのプロジェクトを実行してきました。1つは原価工程の管理とコストダウン施策の策定・実行、もう1つは経費精算ソフトの導入です。プロジェクトの目的を達成するために手段の選定から実行まで高いオペレーション能力があると考えます。

原価工程の管理とコストダウン施策については日々の原価計算から無駄の洗い出しを行ったうえ、実際の製造現場での人や物の動きを細かくモニタリングすることで、詳細なアクションプランの発見に至りました。その結果前年対比で1%原価率を削減できました。適切な管理会計の手法についてもセミナーや書籍で情報集を欠かさなかった点が活きたと実感しています。

経費精算ソフトの導入においては、プロジェクトリーダーとして、ソフトの選定から実際に運用するまでの、スケジュールの設定/ルール作り/他部門連携/ソフト導入などの業務を担当。

ソフトの導入目的である工数削減を実現するために、各部署で混乱が起きないよう、会計や税務の論点に基づいたルールをわかりやすくパワーポイントで作成し、周知しました。結果として大きな混乱もなく、入力間違いも少ないため、40%の工数削減に至りました。

以上

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【経理】職務経歴書の目的

次に職務経歴書の書き方のポイントについて説明します。見本にあった各項目ごとに気を付ける点についても紹介しています。

まず職務経歴書を書く目的は「人事担当者に自分が募集企業で活躍できる」と伝えることです。

職務経歴書を通じて人事担当者に自分の職務能力や経験を知ってもらい、活躍するイメージを持ってもらうということです。活躍するイメージを持ってもらえれば面接に呼んでもらえ、転職成功へ近づきます。

そのため職務経歴書の内容を理解し、活躍のイメージを持ってもらうために次の順序を意識しましょう。

  • 企業にアピールするポイントを整理し
  • 一定の順序で
  • わかりやすく端的に書いていく

 

逆にいうと、アピールにならないことを漫然と書き続けると、雑音の多い職務経歴書となり、読んでもらえない可能性が高まります。

 

【経理】職務経歴書はアピールポイントを整理して書く

人事担当者に自身が活躍するイメージを持ってもらうには、その企業で活躍するスキル・経験があることをきちんと伝えることが重要です。

大事なことは、企業が求めている人材を理解したうえで、それに合った自身のPRをすること。企業の採用ページや企業の事業内容を読み込むことで、求める人材像が見えてくるはずです。

例えば

  • 経験のある業種である
  • 製造業であれば原価計算のできる人材が喜ばれるかもしれない
  • 応募企業の成長規模に近い会社に在籍した経験がある
  • 管理職応募であればマネジメント経験

 

このような点を押さえてアピールしていきましょう。

また履歴書の書き方が気になる方はこちらも参考にしてください。

 

【経理】職務経歴書の書き方は順序が大事

【経理必見!】職務経歴書の書き方を細かく解説!通過率を3割上げる方法とは?の画像1

人事担当者は毎日たくさんの職務経歴書や履歴書を読んでいます。あなたの職務経歴書はそのたくさんあるうちの1つです。

人間の脳の処理能力は限られているので、たくさんの量を読むほど、そしてその文章がわかりづらいほど負荷がかかり、どんどん内容が入ってきづらくなります。

逆に言うと人事担当者が読みやすい書式にすることで、自身の職務経歴書を読み進めてもらいやすくなります。この書式はキャッチボールで例えると、相手の胸に投げてボールを投げるようなもの。相手にとって受け取りやすい形が大事です。

 

したがって、書く順序は次のようにするとよいでしょう。

【職務経歴書の順序】

  • まず「職務要約」と「活かせる知識・スキル」
  • つぎに「経験した業務内容」や「実績」
  • 最後に「資格」や「自己PR」

 

忙しい人事担当者はまず「職務要約」と「活かせる知識・スキル」だけ読んで、会うか会わないかの判断をすることも多いです。それほどこの2点は重要です。

この大事な2点が職務経歴書のどこに記載してあるかわからないと、それだけで人事担当者にストレスを与えてしまい、読んでもらえない可能性があります。そのほかの記載の順序も人事担当者にとって見慣れた形式にすることが大事です。

 

【経理】職務要約は4~5行で端的に書く

まず職務要約に職務経験や自身の強みを4~5行程度にまとめて端的に記載しましょう。

特に経理財務をはじめとしたバックオフィス系求人は、経験年数や経験内容が重視される傾向がありますので、年数は必ず記載しましょう。また、詳細な職務内容でアピールになるもの(決算業務、原価計算、連結決算、上場準備など)や、ぜひ伝えたい実績や達成数値があれば記載しておきます。

もし転職回数や経験業務が多い方は直近のもの、重要なものだけ職務要約に記載し、残りの部分は次項の活かせる「知識・スキル」に記載しましょう。

職務要約になにを書いていいかわからない場合は、まず「職務経歴」から書き始め、そこから職務要約につながる部分を抽出していきましょう。

【記載例】

製造業を行う□□株式会社において経理財務を5年担当してきました。

直近3年間では経理財務部において月次決算・四半期決算・決算業務や税務申告を担当しています。それ以前の2年間では原価計算を担当し、製品の製造原価の計算を行うとともに、資材の支払い管理も行っていました。製造業における経理財務の一通りの業務を遂行できます。

 

【経理】職務経歴書の「活かせる知識・スキル」は箇条書きで書く

【経理必見!】職務経歴書の書き方を細かく解説!通過率を3割上げる方法とは?の画像2

つぎに職務要約に書ききれなかった経験やスキルを箇条書きで書いていきましょう。箇条書きで書くことで文章全体にメリハリが出て読みやすくなります。

転職回数や異動が多く、「職務要約」に業種や経験業務を書きづらかった場合はこの欄に書いてもいいでしょう。

【記載すること】

  • 経験業務と年数(業務の簡単な説明も添える)
  • マネジメント経験の有無と部下の人数
  • エクセル等の習熟度
  • 使用できるソフト
  • プロジェクトや改善経験

【記載例】

  • 経理業務【6年】:月次・年次決算取りまとめ、予算作成、経費精算システム導入・リプレイス
  • マネジメント経験【4年】:3名
  • 原価計算【3年】:原価改善プロジェクトにおけるチームリーダーを担当し、コストダウンを達成
  • Excel:関数(VLOOKUPなど)、マクロを使用しての作業自動化

 

【経理】職務経歴書は直近→古いものの順に書く

「職務要約」と「活かせる知識・スキル」で全体像を伝えたら、詳細な職務経歴を記載しましょう。 人事担当者は「直近で何をやっているか」が気になるので、書く順番は新しいものから書いていきます。書く項目としては「会社」→「部署」(異動や昇進があった場合)→「職務内容と実績」の順番で書いていくのが一般的です。

表も使って見やすく構成していきます。また、会社の規模もわかると業務の範囲などもわかりやすいので、資本金や売上高、従業員数などを記載しておきましょう。

 

【記載例】

□2014年6月~現在 ABC株式会社

事業内容:製造業

資本金:100百万円 売上高:8,000百万円(2020年) 従業員数:400名 東証二部上場

期間 業務内容
2017年12月~現在 経理部〇〇課 役職:〇〇
【担当業務】
・△△△△
・△△△
・△△△△
【成果】
―――――――――――――
2015年12月~2017年12月 経理部××課 役職:××
【担当業務】
・△△△△
・△△△
・△△△△
【成果】
――――――――――――――

【経理】職務経歴書の担当業務は箇条書き!成果は平均数値とくらべる

「担当業務」の欄にはどのような業務を担当していたのか、記載していきます。箇条書きだと見やすいです。また、何かのプロジェクトや改善などを行った経験があるとアピールにつながりやすいでしょう。

改善等の成果には課題や問題を述べたうえで、成果を具体的に、できれば数字を交えて伝えると良いでしょう。加えて平均値や前年対比など、何かと比べるとさらにわかりやすいです。例えば業務フローの改善であれば、何時間かかったものを何時間削減したのか、などがあると良いでしょう。

【記載例】

・原価の改善プロジェクト

チームリーダーとして、原価工程の改善にあたり、管理手法の選定から実際の運用まで一貫して担当。その結果、前年対比で1%原価率を下げることに成功。

・経費精算ソフトの導入

社内で長らく工数のかかっていた経費精算業務の工数を削減するため、経費精算ソフトを導入。ソフトの使い方や、税務論点に基づいた入力のルールを作成し、社内に周知・教育を行いました。結果、月末の経費精算業務にかかる時間を40%削減し、月次決算の早期化を実現しました。

 

【経理】資格・免許は職務経歴書のあとに

資格や免許、保有スコアがあれば記載します。ただし同様の内容を履歴書にも記載するのが通例なので、順序としては「職務経歴」のあとに記載します。

 

【経理】自己PRは自分の書きたいことを書かない

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自己PR欄には最終的な総括や性格的な長所、企業への就労意欲や熱意があれば記載しておきます。

ここまで読むと人事担当者もそれなりに疲れており、読み飛ばされる可能性はありますが、記載しておきます。

ただし、ここでも人事担当者にとって魅力となるポイントを書くように気を付けましょう。

たまに「御社の福利厚生が魅力で・・・」とか「御社の研修制度でスキルアップしたく」と書く人がいますが、福利厚生はその人にとって会社を選ぶ理由かもしれませんが、そのアピールを見た人事担当者にとっては魅力にはなりません。

 

【経理】職務経歴書を書くうえで気を付けたいこと

ここまで職務経歴書の記載の仕方についてポイントを紹介してきました。最後にその他のポイントや、よくある職務経歴書の悪い記載内容について触れておきます。職務経歴書の悪い記載内容はマイナスの印象を抱かせることに。なるべく避けるほうが無難です。

 

職務経歴書の書き方のポイント:経歴へのネガティブな気持ちは書かない

転職回数が多いことへの後悔や、前職がブラックであったことなど、もし後ろ向きな気持ちがあったとしてもその気持ちをそのまま職務経歴書に記載してはいけません。

会う前からネガティブなことを書かれた人事担当者は、その求職者に良い感情を抱かない可能性が高くなります。これまでやってきたことも大事ですが、最も大事なのはその会社で活躍するイメージを人事担当者に抱かせることです。

 

職務経歴書の書き方のポイント:誤字脱字はなくす

職務経歴書は何度か読み返して誤字脱字をなくしましょう。特に初めの10行以内に誤字脱字があると、それだけで人は読む気をなくします。

 

職務経歴書の書き方のポイント:漢字・ひらがなはバランスよく

人によって多少の好みはありますが、文章は漢字・ひらがな(ときにはカタカナ)をバランスよく書くと読みやすいです。職務内容や業種によっては漢字が多いものもありますが、読み返す際に漢字が多すぎないか確認しておきましょう。

 

職務経歴書は人事との対話だと思って書こう!

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突き詰めると職務経歴書は人事担当者とのコミュニケーションといえます。

顔の見えない、会ったことのない人物に対して、どれだけ効率よく、ストレスを感じさせずに自分の能力を理解してもらうか、が大事なポイント。ぜひ読み手を想像しながら、ときには会社に応じて職務経歴書を何度も改善していただければと思います。

まずは実践あるのみ、さっそく書き始めてみましょう!

Back Office Magazine
Back Office Magazine編集部ライター鈴木悠
記事の作成者 鈴木悠
Back Office Magazine編集部ライター

「ややこしい話をわかりやすく」をモットーに執筆する編集部ライター。今まで国内最大手を含む税理士法人2社を経験し、税務会計に6年半携わる。年間30超の法人・個人の税務顧問を務め、法人税・所得税・消費税を中心としたアドバイザー業務に従事した。売上100億円規模の企業をはじめ、担当した業種は飲食・製造・卸売り・観光・アパレルなど。税務の本業の傍ら、副業でウェブサイト運営やYouTube運営を経験したのをきっかけに、メディア作りに魅力を感じ現職に就く。

Back Office Magazine編集部
記事の監修者 Back Office Magazine編集部
hiqers株式会社

士業と管理部門の存在価値をアップデートするメディア「Back Office Magazine」の編集チームです。明日からすぐに生かせるノウハウや、現場で戦う人の声など、ここでしか読めない情報を提供。士業・管理部門の方が集う場を作るとともに、その存在価値を広く世に伝え続けます。

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