経理・税務

経理の志望動機とは?未経験でも問題なく書ける志望動機をわかりやすく紹介!

経理の志望動機とは?未経験でも問題なく書ける志望動機をわかりやすく紹介!

志望動機を書くとなると、何を書けばいいのかわからずに手が止まってしまうことが多いですよね。志望動機を書くためにはいくつかの下準備が必要です。下準備なしに書き始めようとしても難しいのは当たり前。

この記事では経理職を志望する方の志望動機の書き方について徹底解説していきます。

志望動機を書く前に経理は何をするのか理解しよう

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経理職への志望動機を書くには、まず経理の仕事内容について知っておかなければなりません。どのような仕事をしているのか、どんな適性が求められているのかを理解していなければ、採用担当者の心に刺さる志望動機は書けないからです。

 

志望動機の書き方を説明する前に、経理の業務内容についてまずは簡単にご紹介します。経理経験者や仕事内容を理解している方は次の章へ進んでください。

履歴書の書き方を知りたい方は「履歴書の作成手順とは?|履歴書の4つのポイントを詳しく解説!」を参考に作成しましょう。

 

経理は会計・財務に関連する業務を担う

経理の仕事は、基本的に数字との闘いです。

  • 毎日おこなう日次業務
  • 月に一度おこなう月次業務
  • 年に一度決算時におこなう年次業務

など、中身はいろいろと分かれていますが、お金周りの管理がメインの仕事。企業の売上や仕入額などの管理や現金の入出金管理、決算報告書の作成といった業務を担います。

 

たとえば、仕入で発生した買掛金の支払い期日に、預金の残高が引き落とし額よりも少なければ買掛金の引き落としができません。支払いが滞ることは会社の信頼を落とすことにも繋がるため、絶対に避けなければならない事態。支払日当日に焦ることがないように日々資金繰りなどをチェックしておくのが経理の重要な仕事になります。

他にも、請求書の発行や確認、経費が正しく計上されているかのチェック、仕訳帳の入力といった、細々としつつも責任重大な業務が多くあります。常に正確さや集中力、責任感が求められる職種です。

 

経理の志望動機を書く前にチェックすべき3つのポイント

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経理の仕事を理解したら志望動機の作成に進みたくなりますが、作業前に3つだけ振り返っておきましょう。

  1. どうして経理職を選んだのか
  2. どうしてその企業を選んだのか
  3. 自分のどこが経理職に向いているか

 

どれも最初はすぐに答えが出てこないことが多いです。しかし、内定を得る志望動機を書くためには欠かせないポイント。自己分析と企業分析をしっかりとしておきましょう。

 

この下準備をしておくことで、面接試験に進んだ際にも自分の言葉できちんと伝えることができます。「テキトーでいいや」とないがしろにせず、しっかりと取り組んでください。

転職の面接試験に向けて必要な準備については「転職面接の流れとは?よくある質問と当日までに準備するべき5つのこと」をチェックしておきましょう。

 

経理の志望動機を書く前にチェックすべきポイント1. どうして経理職を選んだのか

まず一番に考えたいことが「どうして経理職を選んだのか」です。数ある職種の中で、どうして経理をやろうと思ったのかを紐解いていきましょう。

 

経理職の採用募集の場合、多くは即戦力を求めています。しかし初心者の応募を歓迎していないわけではありません。やる気や熱意のある応募者なら経理初心者でも採用される可能性は高いです。

採用されるために必要なのは、どうして経理職を選んだのかを明確に説明できること。熱意のこもったアピールをするためには、自分の言葉で経理を選んだ理由を具体的に説明できなければいけません。

  • 経理に配属されてやってみたいこと
  • 入社後に経験したいケース
  • 今後のキャリアで成し遂げたいこと

 

といったように、具体的なビジョンが見えるような内容が書けるようになるといいですね。

志望動機を書き始める前に、まずは経理職を選んだ理由をはっきり伝えられるように書き出してみましょう。

 

経理の志望動機を書く前にチェックすべきポイント2. どうしてその企業を選んだのか

経理職を選んだ理由を言語化することができたら、次はどうしてその企業を選んだのかを考えていきましょう。その企業に応募した理由、つまり志望動機の根幹ともなるポイント。時間をかけていいパートなので、しっかりと向き合っていきましょう。

 

考え方のポイントはいくつかありますが、考えやすい方法は次の3点を深掘りしていくことです。

  • 競合他社と比べてどこがいいと思ったのか
  • 他の企業にはなくて応募先にはある魅力は何か
  • 自分が採用されたらどんな貢献ができるのか

たとえば、最初は競合他社よりも雇用条件の良さに惹かれて見た求人かもしれません。でも自己分析を深堀していくうちに、「スキルアップのための資格取得に向けて、勉強時間の確保をしたい」という本音が見えてくることもあるでしょう。

 

企業側から見れば、ただ出勤してくるだけの人材よりも、定期的にスキルアップのための自己研鑽に励む人材のほうが魅力的に写ります。「資格取得のために仕事と勉強の両立をしたい」と伝えれば好印象を与えられるはずです。

よほど思い入れのある企業に応募する以外、多くの場合、企業を選んだ理由は待遇面の良さでしょう。しかしそれをそのまま伝えると「楽して給与を受け取ろうとしていないか?」と疑いの目を向けられることになります。志望動機を深く掘り下げて紐解いていくことで熱意の伝わる言葉が見つかります。

 

経理の志望動機を書く前にチェックすべきポイント3. 自分のどこが経理職に向いているか

最後に、自分のどこが経理職に向いているのか、つまり自分のアピールポイントを探していきます。自分で自分の良いところを見つけるのは難しいと感じるかもしれませんが、経理に必要なスキルを理解していれば問題ありません。企業側の求める人材に少しでも近づけるようなアピールポイントを見つけて盛り込みましょう。

  • 緻密さに自信がある
  • コミュニケーションを密に取れる
  • 集中力が高いので細かい作業が苦でない
  • 忍耐力があるため数字が合うまで根気強く向き合える

といったような、自分が経理に配属された際に発揮できるスキルを探しましょう。

 

経理に求められる適性

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企業の財務管理をおこなう経理では、仕事の重要性と機密性から次のような適性が求められています。

  • 緻密さ
  • 根気強さ
  • 正確さ
  • 集中力
  • 責任感

 

自分に当てはまる適性がないと思う方もいるかもしれません。しかし、長所と短所は表裏一体の関係にあります。たとえば、一つのことに没頭しすぎてしまうという短所は、別の見方をすれば集中力があるという長所。自分の強み・弱みを深く掘り下げて、求められる適性に近いものを抽出してみましょう。

 

経理で必要なスキル

経理職に就くには適性以外に、スキル面でのアピールをすることもできます。

  • パソコンや表計算ソフトの使用経験
  • 会計ソフトの使用経験
  • 簿記の知識を持っている
  • 経理業務に携わった経験がある

 

経理で必要なスキル:パソコンや表計算ソフトの使用経験

たとえば、パソコンの使用経験がある人がほとんどではないでしょうか。経理業務ではエクセルのような表計算ソフトを使用する機会が多いので、これまでに使ったことのある人はそれがアピールポイントになります。

  • 表計算ソフトでどのような表が作れるのか
  • これまでにパソコンスキルで評価されたポイント
  • パソコンの使用歴(年齢問わず)

 

このあたりで自分の強みとできることを探してみましょう。パソコンの使用歴に関しては、管理職レベルの人材だとあまり詳しくないという印象が持たれやすいので「きちんと使いこなせている」と伝える必要があります。

また一方で、若い人材もパソコンが使えることはアピールするべき。デジタルネイティブ世代と言われることがありますが、スマートフォンで完結してしまうためパソコンがうまく使えない人も目立つからです。

 

経理で必要なスキル:会計ソフトの使用経験

弥生会計や勘定奉行といった会計ソフトを使って仕訳業務を進める企業が多いので、これらの会計ソフトに触れた経験があることもプラスポイント。

ただし、会計ソフトに関しては企業独自のソフトを使っている場合もあるので、使ったことがなくても重視されないこともあります。

面接時に「会計ソフトは何を使われていますか?」と質問することで、経理業務についての知識はあるのではと感じてもらえるはずですよ。

 

経理で必要なスキル:簿記の知識

簿記の基礎知識を持っていることは採用面でかなりのアピール材料になります。初心者でも熱意があれば採用されるとはいえ、基本的な知識を持っていない人をイチから育てるのは企業からするとかなりのリスク。経理の基本業務の仕訳業務くらいは遂行できるよう、取引がどのように会計書類に表示されるのかは知っておくべきでしょう。

 

簿記3級があれば基本はOK、2級を持っていれば十分業務についていけます。1級になると科目数も増え、出題範囲もグッと難易度が上がるの無理して取得するよりは、2〜3級の基本を押さえておきましょう。

 

経理で必要なスキル:経理業務に携わった経験

経理の経験があればあるほど、実務で役に立つ場面は多いでしょう。本来企業は即戦力を求めていますから、すぐにでも最前線で働ける経験者を優遇します。

しかし、初心者でも熱意があれば採用されることも多いのが事実。経理以外の職種でこれまでに得た経験を振り返り、どんな場面で活躍できるのかをアピールしていきましょう。

 

経理の志望動機を例文とともに解説!

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  • どうして経理職を選んだのか
  • どうしてその企業を選んだのか
  • 自分のどこが経理職に向いているか

 

以上の3点を見つめ直してはっきり言語化できるようになったら、いよいよ志望動機を書いていく段階です。ここまでの下準備がしっかりとできていれば、そこまで書くのに苦労することはないでしょう。

 

  • 経理経験のある人の志望動機の書き方
  • 経理経験がない人の志望動機の書き方

 

2つのパターンに分けて書き方のポイントを解説していきます。

志望動機を書く際に意識しておくべきことは、できるだけポジティブな内容にすることです。採用後にどのような仕事ぶりを発揮できるのかを、採用担当者に具体的にイメージさせられれば採用率はグッと高まります。

 

経理経験のある人の志望動機の書き方

まずは経理経験がある人の志望動機について解説していきます。

意識しておきたいポイントは次の3つ。

  • どうして転職を決めたのかを前向きに
  • 経理経験があることをアピール
  • どこまでの業務を1人でできるのか伝える

 

経理経験があるということは、スキルアップやより雇用条件のいい企業で働きたい気持ち、または前職の人間環境などの職場環境がよくなかったことが理由の転職が多いでしょう。前者の理由の場合にはそのまま書いても問題ありませんが、後者の場合にはオブラートに包んだ表現が必要になってきます。

 

職場の人間関係が理由で転職を決めた場合、そのまま伝えてしまうと「採用してもまた同じように退職してしまうのではないか」と不安を与えてしまいかねません。「上司のどこどこが許せなくて……」といったような前職の悪口を書いたりしたら、余計に印象が悪くなってしまうことは想像できるでしょう。

先ほどもお伝えしましたが、志望動機はできるだけポジティブな内容にすることが重要です。前職で嫌なことがあったとしても、それをできるだけポジティブなことに変換して書いていきましょう。

 

また、経理経験者であることは大きなプラスポイント。これまでに担当してきた業務や、どこまでの業務が1人でできるのか(月次はできるが、決算業務は部分的にフォロー担当だったなど)を具体的に示すことができると、採用担当者も入社後のイメージがつきやすいです。

 

経理経験のある人の志望動機の例文1. スキルアップでの転職の場合

前職では経理職として月次決算や小口現金、振込業務や請求書の発行などを担当していました。新しい経費精算ソフトを導入する際には、ソフトの開発から運用後の社員のフォローまで受け持ち、社員が使いやすいソフトの導入ができたと評価をいただきました。

今後は利益率をいかに向上させるかという、より経営者に近い目線で経理に携わっていきたいと考えています。経理面から見えてくることを適切に分析し、御社のより一層の発展をバックアップしていきます。

 

 

経理経験のある人の志望動機の例文2. 職場環境が原因での転職の場合

私は食品加工業の経理事務として5年間勤め、請求書や領収書の管理、経費精算、会計ソフトを使った仕訳帳へのデータ入力などを担当してまいりました。

これまでに培ってきたスキルを活かしながらも、さらなるスキルアップを目指して資格取得の勉強をしております。前職では急な残業や休日出勤が重なることが多く、もう少し資格取得のための勉強時間を確保したいと転職を決めました。

経理業務は同じことの繰り返しだという人もおりますが、私は新しい税法などの情報収集や日々の動向チェックなど、自己研鑽が欠かせない業種であると考えております。定期的なスキルアップを欠かさず、御社に貢献していく所存です。どうぞよろしくお願いいたします。

 

経理経験がない人の志望動機の書き方

次に経理経験がない人の志望動機の書き方です。ポイントは次の3つ。

  • どうして経理を希望しているのか明確に
  • 入社後にどう貢献していくのか
  • これまでにどのような経験をしてきたのか

 

この3点を、採用担当者がイメージできるくらい具体的に書くことが重要です。

経理職に就いたことのない人は、どうして経理職を希望しているのかをしっかりと伝えなければなりません。採用担当者が一番気になるのはその部分だからです。

 

また、未経験であることで経験者よりも採用のハードルが少し高くなりがち。どのような貢献ができるのか、これまでに何をしてきたのかをわかりやすく伝える意識をしましょう。

 

前職が経理と全く関係のない職種でも問題ありません。その職種で働いたことで得られた経験や価値観、自分の強みとなるポイントをしっかりと伝えていきましょう。

経理経験がない人の志望動機の例文

私は、営業事務として医療機器メーカーに3年間勤めてまいりました。営業部全体の売上や進捗状況などをエクセルを使って集計し、毎週の定例会議で使えるように整理する業務をおこなってきました。上司からは「見やすくてわかりやすい表だ」と評価をいただき、表計算ソフトの扱いには慣れています。

営業事務を通して部署の売上高などの数字に触れるうち、企業全体の売上管理に興味を持つようになりました。独学で簿記検定2級を取得し、経理でのキャリアを本格的に積んでいきたいと応募いたしました。

未経験ではありますが、これまでの経験を活かし、責任感を持って業務にあたりたいと考えております。よろしくお願いいたします。

 

経理の志望動機で大事なのは具体的・前向き・熱意

経理経験がある・なしに関わらず、志望動機を書くうえで大切なのは3つです。

 

  • 具体的にイメージできるか
  • 前向きな言葉で綴られているか
  • 熱意のこもった志望動機になっているか

 

そのために必要なのは、以下の3つのポイントを押さえたうえで自己分析や企業分析(企業研究)をおこなうこと。

 

  1. どうして経理職を選んだのか
  2. どうしてその企業を選んだのか
  3. 自分のどこが経理職に向いているか

 

下準備がしっかりとできて、思いを言語化できるようになれば志望動機を書く際も悩みませんし、面接試験の際にも自分の言葉できちんと伝えられるはずですよ。

 

経理未経験であったり、より付加価値を高めるために何か資格取得をしておきたいという場合には、「経理の資格12選|経理の転職・即戦力・キャリアアップを実現する!」の記事も参考に選んでみてください。

 

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伊藤維花
記事の作成者 伊藤維花
フリーランス

高校の理数科から大学の経営学部へ進学。会計ゼミでゼミ長をつとめた数字大好きフリーランスライター。得意分野は転職とライフスタイル。会社員時代は経理課に所属し、小口現金から決算処理まで幅広く対応した経理女子。働きすぎて心の病気を経験するも、反省せずに働き続けてしまうワーカホリック傾向あり。https://twitter.com/ito_yukika/

Back Office Magazine編集部
記事の監修者 Back Office Magazine編集部
hiqers株式会社

士業と管理部門の存在価値をアップデートするメディア「Back Office Magazine」の編集チームです。明日からすぐに生かせるノウハウや、現場で戦う人の声など、ここでしか読めない情報を提供。士業・管理部門の方が集う場を作るとともに、その存在価値を広く世に伝え続けます。

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